タイトル思いつかない

なんか書いたのを公開するやつ

ゲーム1

学生時代、「エロゲ」と呼ばれるアダルト向けADVゲームにドハマりしていた。

がっつりやってたのは、3~4年ぐらい。

すでに社畜と化した年数のほうが長くなっているのにさっき気づいたが、

体感としては、エロゲやってた頃のほうが、遥かに密度が濃かったと思う。

好きだったメーカーやライターさんの新作が出るといった情報は、

それとなく追っていたが、社畜となって、まとまった時間が取れなくなり、

疎遠となっていたジャンルである。

 

そんななか、あるゲームメーカーがクラウドファンディング(以下CF)で

メーカー最終作の製作費を賄うという話を聞き、

迷わず支援をした一作の感想を書きたいと思う。

 

musicus.over-drive.jp

OVERDRIVE最終作にして、

キラ☆キラ原作者によるキラ☆キラの後継作

 

医者兼タレントの父を持ち、有名進学校に通っていたが、とある事件に

巻き込まれ退学し、定時制の学校に通うことになった青年が主人公。

ひょんなことからレコード会社社長の八木原とロックバンド「花鳥風月」と

出会い、いままで無縁だったロックの世界へと入り込んでいく。

OVERDRIVEの代表作である「キラ☆キラ」を手掛けた瀬戸口廉也氏による

もう一つのバンドを舞台とした物語。

製作者自ら言うようにキラ☆キラの後継作(続編ではない)として、

「キラ☆キラ」で語られたキラキラした世界の先のお話。

 

・プレイ順(推奨)

 弥子ルート→めぐるルート→?ルート→三日月ルート

 ※おそらく?ルートと三日月ルートどちらをオーラスにもってくるかで

  意見が割れると思う。

  そのほかの順番はそこまで気にしなくていいかもしれない。

 

・システム

 「キラ☆キラ」同様、文字が全面に出て、バックグラウンドに

 背景、イベント絵が表示される形式(何形式っていうか忘れた……)

 オートモード、スキップ、バックログ、音量設定……などなど

 基本的なシステムはある。

 また、喫茶店のテーブル席の背景に、キャラ立ち絵を入れることで、

 一枚絵のように見せるのはすごいな、と思った。

 ただ、ページ進めてしまうとキャラボイスが強制停止されるのは残念。

 あと、スクリプトの関係だと思うが、BGMの切り替えがぶつ切りなのも

 少し気になった。

 

・音楽

 大丈夫。OVERDRIVEの音楽だよ。

 元ネタのほうは、たまにアレな感じになるが、こちらはそんなことなし。

 本作で一番最初に耳にすることになる花鳥風月の「ぐらぐら」であったり、

 主人公のバンドDr.Flowerの「Magic hour」など、耳に残るボーカル曲が

 目白押し。

 また、作中耳を澄ますと聴くことのできる「Everlasting」は、過去作の

 プレイヤーであれば、胸に来るものがあるはず。

 劇伴も、これ!という曲があるわけではないが、作品の雰囲気を

 盛り立ててくれる曲ばかりだった。

 (これについては、ボーカル曲をプッシュする為ってのもあると思う)

 no title...?はて、なんのことでしょうか……?(震え声)

 

・キャラクター

 総じて魅力的。

 ヒロインとなる3人(?)はそれぞれ個性がはっきりとしていて、

 かぶるところがないのもよかった。

 複数ヒロイン制の場合、1人ぐらいいまいちピンと来ないキャラが

 いることがあるんだが、3人とも好きになっていた。

 サブキャラクターたちも、個性派ぞろい。

 ただ、全編通して登場する金田がかなり癖が強く、

 金田を受け容れられるかで、作品の評価を左右するしかねない劇薬。

 自分は、最初は面食らっていたが、だんだん慣れてきたので問題なかった。

 あと、主人公もやたら独白は長いが、常識人キャラっぽい感じではあるが、

 ものすごく癖が強く、物語後半では顕著になってくるので、

 こちらも合う合わないがあるかもしれない。

    お気に入りキャラは、定時制の学校で同級生の佐藤さんと龍さん。

 

・シナリオ

 瀬戸口氏のシナリオです。

 と言えば、瀬戸口氏のゲームをやったことのある人なら、

 納得してもらえるかと(とくに「キラ☆キラ」)

 主人公の心情描写や各キャラのセリフが、長い。

 長すぎて、1ページでは収まらなくなる場面も。

 瀬戸口氏作品の特徴だが、長文を読むのが苦手な人には

 結構つらいかもしれない。

 

 今作のテーマは一貫しており、「音楽の神様は存在するのか?」

 という問いかけへの答えを主人公やヒロイン(三日月)が

 模索していく物語。

 結局のところ、音楽そのものは大した意味がなく、それに付随する情報

 によって、評価されてるだけではないのか?という問いかけ。

 (不幸を背負った少年が、拙いながら弾いた曲「だから」感動する、など)

 その答えを探すために、主人公はロックの世界へと飛び込んでいく。

 また、ライブのキラキラした世界を追い求めて、ある地点まで到達した後の

 世界も見せてくれるので、それも必見。

 

 

 ルート分岐は大きく4つ。

 弥子ルートとめぐるルートはサブルート的な印象で、メインルートは

 三日月ルートになると思われる。

 前者2ルートはサブということもあり、コンパクトにまとめられている。

 三日月ルートは、メインということもあり、上記テーマへの回答、

 そしてOVERDRIVEのゲーム作品の最後の叫びが見られる。

 問題は、?ルート(ネタバレ回避のため伏せてます)。

 瀬戸口氏あるあるの、BADっぽいルートが一番鬼気迫るものがある、

 というものの典型例。

 (他だと「キラ☆キラ」のきらり1エンド、Carnivalのほぼ全エンド)

 なにかを作ることに携わっている人には、一度やってもらいたい。

 

・総評

 正直なところ、前身の「キラ☆キラ」とどちらのほうが良かったかと

 訊かれると「キラ☆キラ」という回答になるだろう。

 しかし、同じバンドものではあるものの、テーマが全く違う上に、

 今作のテーマがかなりネガティブなこともあり、印象としては、

 「キラ☆キラ」のほうが好印象になるのは仕方ないことだと思う。

 

 それを補って余りある楽曲群、シナリオがあるのは間違いないので、

 是非やってほしい。

 特に「キラ☆キラ」のきらり2エンドの結末を観て、ほんのわずかでも

 「そんなこと成し遂げられるのかな」と思った方に手に取ってもらいたい。

 

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↑一応、エンドロールに名前乗ってます(CF特典によるもの)。

 

 

(気が向いたら、ネタバレあり感想も書くかも)